【5月10日 AFP】米司法省は9日、「極めて洗練された」中国人ハッカー集団のメンバーらを通信詐欺や電子計算機損壊などの罪で起訴したと発表した。被告らは、2015年に米医療保険大手アンセム(Anthem)がサイバー攻撃を受け、契約者7800万人以上の個人情報が盗み出された事件に関与したとされる。

 司法省によると、このハッカー集団はアンセムのほか、IT業界、工業原料業界、情報通信業界の米企業グループ3社を標的としたサイバー攻撃にも関与したとみられている。

 ハッカー集団は各社の従業員にフィッシングメールを送り付け、社内システムへの侵入経路を開かせる手口で、時間をかけて企業秘密や個人情報を盗み出していたという。

 折しも米中関係は、貿易摩擦や、中国が技術開発促進のため米企業秘密を盗むプログラムを開発しているとの疑いをめぐって、緊張が高まっている。ただ、司法省は今回起訴したハッカー集団に中国政府との関わりがあったかどうかや、盗まれたデータがどのように使用されたかについては明らかにしていない。(c)AFP