【5月10日 Xinhua News】中日両国による日本遺棄化学兵器の移動式廃棄処理作業が7日、中国黒竜江省(Heilongjiang)ハルビン市(Harbin)郊外で始動した。

 中国側関係部門の責任者の説明によると、中日双方は2010年からハルビン日本遺棄化学兵器の移動式廃棄処理作業の準備に着手し、これまでに30回近く協議を行った。双方は作業の技術的プランやリスク評価、環境モニタリング、コンティンジェンシープラン(Contingency Plan 緊急時対応計画)などについて一致した。廃棄処理設備が完成、設備の据え付けと調整試験が終了し、周辺地域の遺棄化学兵器がハルビン廃棄処理作業現場まで運ばれ、作業開始の条件が整っている。

 同責任者は次のように述べた。日本遺棄化学兵器の処理は中日間の歴史的に残された重要な問題であり、「化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約」(化学兵器禁止条約)の重要な履行でもある。条約と中日両国政府の関連覚書の規定に基づき、日本側が廃棄処理を担当すると同時に必要な資金、技術、専門家、施設およびその他の資源の全てを提供する。中国側は協力を行う。

 同責任者はまた次のように説明した。中国各地に散在している日本の遺棄化学兵器の廃棄処理を急ぐため、2007年4月、中日両国の指導者は遺棄化学兵器が散在している中国各地で移動式廃棄処理設備を使用することについて共通認識を得た。2010年から、南京(江蘇省)や武漢(湖北省)、石家荘(河北省)で移動式廃棄処理設備を順次使用し、これら3地域とその周辺の日本遺棄化学兵器を保管している場所で順調に作業を終えた。ハルビンは南京、石家荘、武漢に続く4カ所目の遺棄化学兵器移動式廃棄処理作業地。ハルビンでの作業開始は廃棄処理作業の重要な進展を意味し、廃棄処理全体作業プロセスの加速に重要な意義がある。(c)Xinhua News/AFPBB News