【5月9日 AFP】国連(UN)の食糧農業機関(FAO)は8日、近東と北アフリカで飢餓が拡大しており、5200万人以上が栄養不足になっていると発表した。

 FAOは、「2011年以降、紛争と長期化する危機が拡散・悪化しており、同地域での飢餓撲滅キャンペーンが脅かされている」と述べた。「同地域では5200万人が慢性的な栄養不足に陥っており」、その3分の2は紛争地域で暮らす人々だという。

 こうした地域にはイラクやリビア、スーダン、シリア、イエメンが含まれている。

 人道支援団体によると、イエメンでは4年にわたる内戦で多くの民間人を含む数万人が死亡。国連はイエメンの状況を、330万人が家を追われ、2410万人が支援を必要とする状況に陥った「世界最悪の人道危機」と呼んでいる。

 FAOは、紛争だけでなく、人口の急増や天然資源の不足や供給の不安定さ、気候変動の脅威の高まりも同地域の飢餓の悪化に拍車をかけているとして、農民の市場へのアクセスの改善、農業分野への投資やイノベーション、水資源の管理を奨励するよう各国に呼び掛けている。(c)AFP