【5月9日 AFP】二酸化炭素(CO2)排出量ゼロを目指す英国は8日、国内初の石炭火力発電所が稼働を開始した1882年以降で初めて、1週間にわたって石炭を使用せずに電力を供給できたと明らかにした。

 英国の電力系統運用会社ナショナル・グリッドESO(National Grid ESO)はツイッター(Twitter)に、「英国は石炭を利用せず1週間を過ごしたことをここに公表します!!! これは1882年に最初の石炭火力発電所が稼働した後では初めてのことです #zerocoal」と、最後に「石炭ゼロ」という意味のハッシュタグを付けて書き込んだ。

 ナショナル・グリッドESOのフィンタン・スライ(Fintan Slye)取締役会議長は、英国では風力や太陽エネルギーなどの再生可能エネルギーへの移行を加速させていることから、「2025年までに、二酸化炭素を排出せずに英国の電力系統を全面的に運用することが可能となると信じている」と述べた。

 英当局は今年3月、2030年までに国内で使用する電力の3分の1を洋上風力発電で供給することを目指すと発表していた。

 英国は原子力発電を低炭素エネルギー政策の中心に位置づけている。これは2011年の東京電力(TEPCO)福島第一原子力発電所の事故を受けて原子力発電の段階的廃止を進めている欧州の経済大国・ドイツとは対照的だ。(c)AFP