【5月8日 AFP】(更新)パキスタンで、イスラム教に対する冒涜(ぼうとく)罪でいったんは死刑とされ、数か月前に逆転無罪が言い渡されたキリスト教徒のアシア・ビビ(Asia Bibi)さんが出国したと、政府高官筋が8日、AFPに明らかにした。

 中部パンジャブ(Punjab)州出身のビビさんは、2010年に冒涜罪で有罪となり、以後死刑囚として収監されていたが、昨年10月に最高裁がその判決を覆し、無罪となった。これを受けて、イスラム強硬派が大規模な抗議行動を展開していた。

 同筋は匿名を条件に、ビビさんが「自らの自由意志でパキスタンを離れた」と語った。

 ビビさんの出国日時や行き先は不明。ビビさんの弁護士は、本人と直接話してはいないとしながらも、娘らが先に入国したとみられているカナダに入ったとの情報があるとしている。

 ただこれまでのところ、パキスタン当局からも、また在イスラマバードのカナダ高等弁務団からも正式発表は出ていない。(c)AFP/Gohar ABBAS