段ボールで再現、ひしめく迷路のような街並み フィリピン
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【5月13日 AFP】捨てられた段ボールで作られた小さな建物がひしめく迷路のような街並み――フィリピン人アーティスト、アルフレド&イザベル・アキリザン(Alfredo & Isabel Aquilizan)夫婦はこのインスタレーションで、段ボールのようなありふれているものでもフィリピンの人にとっては価値があるということを表現しようとした。
人口の4分の1近くが1日当たり2ドル(約220円)未満で暮らしているフィリピンでは、段ボールは住まいや寝床、家具にもなる安価で豊富に存在する素材だ。
インスタレーションはもともと、中国南西部四川(Sichuan)省成都(Chengdu)市で制作されたもので、同市の街並みを再現している。だが、アキリザン夫婦は、段ボールを使っていることがマニラではより深い意味を持つと話す。
イザベルさんは、「他の場所では捨てられごみになってしまうが、フィリピンでは段ボールはとても重要だ」「ここではいろいろなものに利用されている。ベッドや家など何にでもなる」と話した。
インスタレーション「Here, There, Everywhere: Project Another Country」はマニラのデラサール大学(De La Salle University)内の美術館で展示が行われた。オーストラリアを拠点とするアキリザン夫婦はこの最新作で、移住についての問題を探求したという。
フィリピンでは、数百万人が海外で働いており、これら出稼ぎ労働者からの送金が国の経済の柱となっている。(c)AFP