【5月15日 CNS】中国政府は、「『一帯一路(Belt and Road)』共同推進における進展、貢献と展望」報告書を発表した。大経済圏構想「一帯一路」提唱から5年余りで得られた成果は、この報告書の10の数字からうかがい知ることができる。

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■173件の政府協力文書に署名

「一帯一路」共同構築の提唱は、国際社会からより多くの賛同を得ている。国連(United Nations)や20か国・地域(G20)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)などが重要文書の中でこの構想と核心理念に言及している。2019年3月時点で、中国政府は125か国、29の国際組織との間で173件の協力文書に署名しており、「一帯一路」共同構築に関与する国はアジア、欧州からアフリカ、ラテンアメリカ、南太平洋地域などにも広がっている。

■中国─欧州間の専用貨物列車の本数は累計1万3000本

 2018年末現在、中国─欧州間の国際定期貨物列車便「中欧班列」はすでにユーラシア大陸16か国108都市を結び、運行数は累計で1万3000本、輸送貨物は標準コンテナで110万本以上に及んでいる。通関地の通関検査はさらに便利になり、平均検査率と通関の審査時間は半分に短縮した。

■増設された国際航空路線は1239本

 ここ5年で中国と「一帯一路」沿線国との間で増設された国際航空路線の数は1239本で、新規開通国際航空路線総数の7割近くを占めた。

■沿線国との物品貿易輸出入総額は664兆円

「一帯一路」は、中国の対外貿易の成長をけん引する新たな原動力になっている。2013~18年、中国と沿線国との物品貿易輸出入総額は6兆ドル(約664兆円)以上で、年平均の成長率は同時期の中国の対外貿易全体の成長率よりも高く、中国の物品貿易総額の27.4%を占めた。

■沿線国への直接投資額は10兆円

 2013~18年、中国企業の「一帯一路」沿線国への直接投資額は900億ドル(約10兆円)以上で、また沿線国での請負プロジェクト完了による売上額も4000億ドル(約44兆円)を超えた。世界銀行(World Bank)の研究によると、沿線国の外資企業の直接投資額は5%近く増える見通しだ。

■70以上の国・地域に広がる共同融資

 中国人民銀行(People's Bank of China)は、世銀傘下の国際金融公社(IFC)、米州開発銀行(IDB)やアフリカ開発銀行(AfDB)、欧州復興開発銀行(EBRD)など多国間開発銀行と共同融資を展開した。18年末時点での累計投資は100プロジェクトを超え、70以上の国と地域に広がっている。

■約40か国で人民元のクロスボーダー決済が可能に

 近年、「一帯一路」の金融相互接続が深まり、人民元のクロスボーダー決済システム業務の範囲が約40の沿線国・地域に広がり、人民元の国際決済や投資、取引、準備通貨機能が着実に向上した。

■約40か国と生産能力のグローバル提携を展開

 生産能力のグローバルな提携は、沿線国の産業構造の向上を促進する一大措置だ。中国は現在、カザフスタン、ブラジルなど40か国以上と生産能力提携に関する文書に調印し、またフランス、スペイン、イタリア、日本などと第三国市場協力に取り組んでいる。

■24の沿線国との高等教育学位・学歴の相互認定を実現

 中国は現在、24の沿線国との高等教育の学位・学歴の相互認定に関する覚書を交わしている。2017年には沿線国から3万8700人が中国政府からの奨学金で中国に留学し、奨学金を受けた学生総数の3分の2を占めた。

■57の沿線国とビザの相互免除協定を締結

「一帯一路」沿線国への旅行は、さらに容易になっている。現在、中国は57の沿線国と各種パスポートを網羅する査証相互免除協定を締結し、15か国と査証手続き簡素化の協定を結んだり、簡素化措置を取ったりしている。この政策を受けて、18年の中国の海外旅行者はのべ1億5000万人に達し、訪中する外国人観光客がのべ3000万人を超えた。(c)CNS/JCM/AFPBB News