【5月9日 Xinhua News】「ペットショップだと思ったら動物園じゃないか。子供が見入って動かなくなった」。メーデー連休(5月1日~4日)に子供を連れてデパートに買い物に来ていた中国吉林省(Jilin)長春(Changchun)市民の王瑜(Wang Yu)さんは、デパートにまさか動物園があるとは思わなかったと語る。

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 動物園に入ると、ガラスケースの中の植物のかげに潜む各種の小型爬虫(はちゅう)類が出迎え、多くの人々が足を止めていた。スタッフによると、展示面積は2000平方メートル余りで、動物の習性の違いに応じていくつかのゾーンに分けられ、世界各地からやって来た50種余りの動物が暮らしている。

 王さんと同様の子供連れの姿は少なくない。多くは買い物途中にこの一風変わった動物園を発見し、子供と一緒に訪れた人々だ。動物の中心は草食動物で、各種の小動物が多くを占める。スタッフの案内で、来場した人々は動物たちにじかに触れ、交流を楽しめる。

 運営会社の陳暁飛(Chen Xiaofei)さんによると、動物園を訪れた人々は、さまざまな動物の生息環境や暮らしの様子などについてスタッフの解説を受けることができ、プロの飼育員の指導の下、動物への餌やりを体験したり、記念写真を撮ったりすることもできる。「動物園をデパートの店内に設置したのは、都会に暮らす子供たちが容易に動物に親しみ、自然に親しみ、遊びながら動物と自然の知識を身につけ、思いやりを育めるようにするためだ」

 鼻を突く臭いはなく、おりで隔てられることもなく、買い物途中に子供と自然を旅できる。室内動物園は出現するやいなや人気が沸騰した。陳さんによると、同社は2017年、天津に初めての「ミニ動物園」を開設。現在、全国7カ所で展開し、1日当たりの来園者は延べ400人以上にのぼる。

 大型デパートへの動物園設置は近年、珍しくなくなっている。蘇州(Suzhou)、天津(Tianjin)、広州(Guangzhou)、武漢(Wuhan)などで大小さまざまな室内動物園が設けられている。

 吉林大学(Jilin University)哲学社会学院の劉威(Liu Wei)副教授は、大型デパートや複合施設が各地で発展するに伴い、新奇でユニークな消費が目玉として打ち出されるようになり、考えてもみなかったアイデアが消費者の生活に姿を現すようになったと紹介し、「消費の業態を多彩にするとともに、消費者の高まる娯楽需要を満たしている」と分析する。(c)Xinhua News/AFPBB News