【5月7日 AFP】米ケンタッキー州競馬委員会(KHRC)は6日、G1レースの第145回ケンタッキーダービー(145th Kentucky Derby、3歳、ダート約2000メートル)でマキシマムセキュリティ(Maximum Security)が前代未聞の降着となった問題に関する異議申し立てを却下した。これを受けてオーナー側は、同サラブレッドの復位を求めて法的手段に出る意向を示した。

 米ケンタッキー州ルイビル(Louisville)のチャーチルダウンズ競馬場(Churchill Downs)で5日に開催されたケンタッキーダービーで、マキシマムセキュリティは1位入線を果たしたものの、最終コーナーで外へ大きくよれた予想外の動きが他の馬の進路妨害に相当すると判断され、19頭中17位に降着処分となった。

 この結果、レースはマキシマムセキュリティから1馬身4分の3差でゴールした穴馬のカントリーハウス(Country House)が優勝。他の馬を妨害したことが原因で1着の馬が勝利を剥奪されたのは、同レースでは史上初めての出来事となった。

 同委員会はオーナー側に対して、レース降着の判断については異議申し立ての対象にはならないと伝え、マキシマムセキュリティ陣営からの訴えを即座に退けた。

 マキシマムセキュリティのオーナーであるギャリー・ウェスト(Gary West)氏は6日、米NBCテレビの番組「トゥデイ(Today)」に対して、裁定プロセスに関して審議は「透明性が欠如」していると主張。両馬の関係者や観客は当日、裁定が下るまで22分間待たされていた。

 今回の騒動が決着するかどうかは、現時点で定かではない。ウェスト氏は番組の中で、この問題をめぐり法的手段を検討していると示唆し、「委員会が申し立てに耳を貸さないつもりなら、これは競馬界全体で追及するに足る大きな問題であり、何が起きているのかはっきり知る権利があると考える」と述べた。

 ウェスト氏はまた、米三冠レースの第2戦プリークネス・ステークス(144th Preakness Stakes、3歳、ダート約1900メートル)と第3戦ベルモント・ステークス(151st Belmont Stakes、3歳、ダート約2400メートル)で、マキシマムセキュリティを出走させるつもりはないと明言した。

「三冠レースについては全く考えていない」「その必要がないのに、2週間のうちに再び馬を走らせる理由は何もない」 (c)AFP