【5月7日 AFP】ロシアの首都モスクワの空港で5日、同国の旅客機が緊急着陸に失敗して炎上し、41人が死亡した事故について、事故機の操縦士は、緊急着陸に至った原因は雷だったと語った。

 事故を起こしたのは、ロシア航空機メーカー、スホイ(Sukhoi)製の旅客機「スーパージェット100(Superjet 100)」で、アエロフロート・ロシア航空(Aeroflot Russian Airline)が運航していた。同機は5日夕、北極圏の都市ムルマンスク(Murmansk)に向けてシェレメチェボ(Sheremetyevo)空港を離陸直後に引き返し、着陸に失敗して炎上。調査当局は現在、機体が炎上した原因の究明を進めている。

 同機のデニス・エフドキモフ(Denis Yevdokimov)操縦士はロシアメディアに対し、事故機は「雷が原因」で航空管制官との連絡が取れなくなり、緊急制御モードへの切り替えを強いられたと説明。事故機が直接落雷を受けたのかどうかには言及しなかった。

 またエフドキモフ氏は、着地時に炎上した原因について、同機が燃料を満載した状態だったことが原因である可能性が高いとの考えを示した。航空専門家でスホイの元エンジニアのワジム・ルカシェビッチ(Vadim Lukashevich)氏はAFPに対し、近代型の航空機は落雷によって「大惨事に至ることはない」と指摘。事故機が滑走路に激しくぶつかり「脚部が燃料タンクを突き破った」ため大量の燃料が流出し、炎上につながったとの見解を語った。(c)AFP/Theo MERZ