【5月6日 AFP】国連(UN)の世界食糧計画(WFP)は5日、イエメン内戦の最前線となっている西部ホデイダ(Hodeida)郊外にある支援食糧の貯蔵庫に立ち入ることができたと発表した。貯蔵庫への立ち入りは、安全上の理由で1か月延期されていた。

 イランが後ろ盾となっているイスラム教シーア派(Shiite)系の反政府武装組織フーシ派(Huthi)は4月、WFPが求めた紅海製粉所(Red Sea Mills)の貯蔵庫への立ち入りを拒否。これを受け、サウジアラビアが主導する政権派の有志連合軍は、フーシ派を非難していた。

 WFPのエルベ・ベルオゼル(Herve Verhoosel)報道官はAFPに送った電子メールの中で、「技術チームは貯蔵庫に残り、製粉の準備作業として製粉装置の清掃と点検・修理を行い、最終的には小麦を配給できるようにする」と述べた。

 国連による貯蔵庫への立ち入りができなくなった昨年9月までは、紅海製粉所には5万1000トンの穀物が貯蔵されていた。370万人を1か月間養うのに十分な量だ。

 WFPは今年2月、政権派とフーシ派の戦闘により立ち入りが困難となった昨年9月以降としては初めて製粉所の貯蔵庫に立ち入った。検査の結果、穀物に虫がついていることが分かり、配給するには薫蒸する必要があるという。

 WFPのベルオゼル報道官は、「2月26日の立ち入り後に実施した評価作業によって、小麦の約70%を利用可能な状態にもっていけることが分かった」と明らかにした。「しかし、(ゾウムシの発生によって)食害を受けた小麦は、製粉の過程でふるい分けられるため、生産される小麦粉の量は通常より少なくなる」と述べた。

 また同報道官は、暑さによって小麦の劣化は更に進むだろうとの見通しも示した。(c)AFP