【5月6日 AFP】米国のジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)元米大統領を暗殺したとされるリー・ハーベイ・オズワルド(Lee Harvey Oswald)が射殺されるのを目撃した、フランス人のベテラン戦場記者、フランソワ・ペルー(Francois Pelou)さんが4日に死去していたことがわかった。94歳だった。遺族が5日明らかにした。

 AFPの記者として朝鮮戦争(Korean War)やベトナム戦争(Vietnam War)を取材したペルーさんは1963年のケネディ元大統領の暗殺翌日、米ニューヨークからテキサス州ダラス(Dallas)に派遣された最初のフランス人記者だった。

 ケネディ暗殺の2日後、ペルーさんはダラスの警察本部の地下で、ナイトクラブ経営者のジャック・ルビー(Jack Ruby)がオズワルドを射殺するのを目撃した。

 ペルーさんは射殺の様子について、「オズワルドが着ていた黒いセーターの胸に、暗殺者の撃った弾のかすかな閃光(せんこう)が見えた」と語っていた。

 またペルーさんは、ルビーが「オズワルドを殺害しようと私にぶつかってきた。怒りに任せて、傷つけようとして撃ったのではなく、殺そうとしていた」とも述べた。

 ペルーさんはその後、ルビーの裁判を取材。また、ケネディ暗殺後に大統領に昇格したリンドン・ジョンソン(Lyndon B. Johnson)氏が事件を調査するため発足させたウォーレン委員会(Warren Commission)から証人喚問も受けた。

 フランス南部コンクアンルエルグ(Conques-en-Rouergue)に住むペルーさんの妻は、AFPの電話取材に対し、「フランソワは4日、コンクアンルエルグのこの家で亡くなりました」と述べた。(c)AFP