【5月5日 AFP】フランスで4日、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領の政策に抗議する「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動の25週目のデモが行われる中、女優のジュリエット・ビノシュ(Juliette Binoche)さんやエマニュエル・ベアール(Emmanuelle Beart)さんら芸術関係者約1400人が署名した、運動への支持を表明する公開書簡が、左派系日刊紙リベラシオン(Liberation)に掲載された。

「私たちはだまされない コレクティフ・イエローベスト」(訳注 コレクティフはグループ、集団、会といった意味)と題されたこの書簡は、黄ベスト運動の悪評を立てようとする動きがあるとしてこれを批判。また、社会的・税務的な公正化や、環境危機に対する抜本的対策がデモ参加者らの要求だとして、これを支持する姿勢を示した。さらに、黄ベスト運動に対する締め付けが次第に強まっているとしてこれを非難し、既に国連(UN)や欧州連合(EU)などの国際機関が懸念を表明していると指摘した。

 
 書簡にはビノシュさんやべアールさんのほか、映画監督や脚本家、作曲家などの著名人も署名した。ビノシュさんは映画『イングリッシュ・ペイシェント(The English Patient)』でアカデミー賞助演女優賞を受賞した経歴を持つ。べアールさんは国際的にはおそらく『ミッション:インポッシブル(Mission: Impossible)』への出演で最も良く知られているだろう。

 内務省発表によると、4日のデモ参加者は仏全土で1万8900人、うちパリでは1460人だった。黄ベスト運動の活動家らが5月1日のメーデー(May Day)恒例の労組のデモ行進に加わった直後だった影響か、前週末の2万3600人を大きく下回った。

 政府発表を不正確だとして常に認めないデモ主催者は、今回の参加者を仏全土で4万291人としている。この日のデモ行進は比較的平穏に行われ逮捕者も少なく、パリ市内で拘束されたのはわずかに8人だけだった。(c) AFP