【5月5日 AFP】シリア北西部で4日、シリア政府軍とロシア軍が100回以上の空爆を実施し、子ども2人を含む少なくとも9人の民間人が死亡した。在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が明らかにした。

 シリア人権監視団によると、これらの空爆はイドリブ(Idlib)県、ハマ(Hama)県、アレッポ(Aleppo)県で行われた。シリア軍ヘリコプターがたる爆弾数十個を投下し、死者9人のうち3人は女性、1人は市民救助隊「ホワイト・ヘルメット(White Helmets)」の隊員だった。死者が出たのはイドリブ県とハマ県だったという。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)は、シリア軍が「テロリスト集団」に対する攻撃を行ったと報じた。

 イドリブ県の大部分およびアレッポ県とハマ県の一部は、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)傘下のイスラム過激派組織アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)を前身とする反体制派連合「タハリール・アルシャーム機構(HTS)」が掌握している。

 シリア政府を支援するロシアと、シリア反体制派を支援するトルコは昨年9月、イドリブ県に非武装地帯を設けることで合意したが、シリア政府軍はここ数か月、イドリブ県などへの空爆を強化している。(c)AFP