【5月5日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で4日、パレスチナ側の武装勢力がイスラエル側に約250発のロケット弾を発射した。イスラエルも直ちに空爆や戦車で反撃し、パレスチナ側で幼児1人を含む4人が死亡した。

 ロケット弾攻撃の一部については、ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)と同盟関係にある武装勢力「イスラム聖戦(Islamic Jihad)」が実行を認め、さらなる攻撃を予告した。

 ガザ武装勢力とイスラエルの対立はエスカレートする一方で、ハマスとイスラエルの間で交わされた停戦合意の脆弱(ぜいじゃく)さが改めて露呈した。

 イスラエル側は、ガザ地区から撃ち込まれたロケット弾約250発のうち、数十発を防空システムで迎撃したと発表。イスラエル軍は、ガザ地区内の約120の軍事目標に砲撃と空爆を実施したと発表した。

 イスラエル警察などによると、ガザ境界から約20キロの町キルヤットガト(Kiryat Gat)にロケット弾1発が着弾し、80歳の女性が重傷を負い、アシュケロン(Ashkelon)でも50歳の男性が負傷して入院した。このほかにも負傷者が出ているというが、詳細は明らかになっていない。

 アシュケロン近辺では、ロケット弾で住宅1棟が損傷したが、他のロケット弾は空き地に着弾した。

 一方、ガザ保健省の発表によると、パレスチナ側ではイスラエル軍の攻撃で、妊娠中の女性とその1歳2か月の子ども、男性2人の計4人が死亡し、40人が負傷した。死亡した男性が武装グループのメンバーかどうかは不明。

 イスラエル軍の報道官はツイッター(Twitter)で、ガザの母子はイスラエルの空爆ではなく、パレスチナ側の攻撃で死亡したと示唆し、ガザ保健省の発表に異議を唱えたが、詳細は明かさなかった。
 
 米国政府は、イスラエルへのロケット弾攻撃を非難し、「このような忌まわしい攻撃に対するイスラエルの自衛権」を全面的に支持すると述べた。(c)AFP/Adel Zaanoun