【5月5日 AFP】フランスのエリザベット・ボルヌ(Elisabeth Borne)交通担当相は、急増した電動キックスケーターが歩行者の妨げになっていることから、今年9月から電動キックスケーターの歩道での運転を禁止すると明らかにした。

 首都パリに昨年登場した電動キックスケーターは急激にその数を増やし、現在では数社が運用する計1万5000台のスクーターが街にあふれている。その数は今年末までに4万台になると予想されている。

 ボルヌ交通担当相は4日の日刊紙パリジャン(Le Parisien)で、今年9月から歩道で電動キックスケーターやモノホイール、パーソナルトランスポーター、ホバーボードに乗ることを禁止し、違反した場合は135ユーロ(約1万7000円)の罰金を科すと述べた。

 ボルヌ交通担当相は、これらの乗り物の利用者は「歩行者が壁際に押しやられないように」、車道または自転車専用道を利用しなければならないと語った。もっとも、動力を切っていればこれらの乗り物を押して歩道を歩くことは認められるという。

 大きな人気を集めているこれら個人用の乗り物についてボルヌ交通担当相は、「(流行が)瞬く間に、ある種の無秩序状態の中で起きてしまった」と指摘した。

 電動キックスケーターのレンタルサービスは、米国に拠点を置く「ライム(Lime)」やバード(Bird)、そして最近では配車サービス世界大手の米ウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)も参入し、多くの都市で人気を博している。

 ペルーは先週、歩道と歩行者エリアでの電動キックスケーター運転を禁止しており、フランスの動きはそれに続くものだ。ドイツのベルリン市当局は電動キックスケーターに関する厳しい規則を作成したほか、スペインの人気観光地バルセロナ(Barcelona)ではスクーターのレンタルサービス自体が禁止された。

 米消費者情報誌「コンシューマーリポート(Consumer Reports)」が今年2月に報じたところによると、米国では電動キックスケーターの人気が高まった2017年後半以降、1500人以上が負傷して治療を受けた。(c)AFP