【5月5日 AFP】インドで猛威を振るった大型サイクロン「ファニ(Fani)」は4日、バングラデシュに上陸し熱帯低気圧になった。

 報道によると、インドではファニにより12人が死亡した。バングラデシュの警察は同国での死者も同じく12人と報告しているものの、過去に発生したサイクロンと比較すると被害は小さく、国連(UN)はバングラデシュ当局の対応を称賛している。

 バングラデシュ災害当局はAFPに対し、「倒れてきた木や壁に当たって6人が死亡したほか、落雷で6人が死亡した」と述べた。両国の当局者がAFPに明らかにしたところによると、インド東部オディシャ(Odisha)州で約120万人、バングラデシュで160万人以上が避難した。少なくとも36の村が高潮で浸水し、住宅2000棟以上が倒壊した。

 インド気象局は4日、ツイッター(Twitter)で、ファニはバングラデシュに上陸して熱帯低気圧になったと明らかにした。

 しかしファニは最大風速19メートルの勢力を保ち、インドの西ベンガル(West Bengal)州の州都コルカタ(Kolkata)や、西ベンガル州とバングラデシュ南西部にかけて広大なマングローブ林が広がる自然保護区シュンドルボン(Sundarbans)などでは3日夜から4日朝にかけて強い雨が降った。

 シュンドルボンの管理を担当する西ベンガル州当局は、「サイクロンが通過した際すべてを破壊したため、シュンドルボンの島々は完全にめちゃくちゃになっている。河川の氾濫で堤防が決壊し、広い地域が浸水するのではないかという不安が高まっている」と述べた。(c)AFP/Sam Jahan with Sailendra Sil in Kolkata