【5月3日 時事通信社】人口は13億人、経済成長も環境悪化も著しいインドで、水質汚染防止のため日本企業の技術が新たに導入されている。微生物の働きを利用して汚水を分解する装置で、メンテナンスも比較的容易。下水道が整備されていない地域を中心に普及を図る方針だ。

 装置は大成工業(鳥取県米子市・三原博之社長)が開発し、日本では公園や山のトイレなどに設置されている。インドでは、国際協力機構(JICA)の事業として、ガンジス川が流れるヒンズー教の聖地、北部バラナシで第1号が4月22日に稼働した。

 インドでは、急激な人口増加の一方、下水施設の整備が追い付いていない。実質「垂れ流し」になっている場所も多い。インド政府が昨年発表した調査では、ガンジス川の沐浴(もくよく)場があるバラナシの測定地点で基準値の最大20倍のふん便性大腸菌が検出された。水質悪化は顕著だ。

 新装置は、バラナシの公衆トイレに設置。汚物を沈殿させるタンクから汚水を分離し、特殊な排水処理資材に通すことで土中の微生物による分解を推進する。「無色透明な状態」(三原氏)にした水を土に戻す。

 汚水を分離・処理することで、タンクにたまる量を減らせるため、日本の公園のトイレでは「約20年間くみ取りが不要だった」(同)実績がある。手入れも減らせ、下水に接続せずに使い続けられる。

 三原氏は「これまでは側溝に垂れ流しで、ハエや蚊も発生し、日本ではあり得ない状態だった。社会が発展する中で、汚水処理はすぐに取り組んでいかなければならない課題だ」と語った。問題解決の一助になることを期待している。(c)時事通信社