【5月4日 AFP】米国のパトリック・シャナハン(Patrick Shanahan)国防長官代行は3日、トルコ政府がロシアから地対空ミサイルシステム「S400」を購入するのであれば、米国防総省はトルコでの最新鋭戦闘機「F35」の製造支援を停止すると警告した。

 シャナハン氏は記者団に対し、トルコのS400導入に反対する米政府の姿勢は揺るがないと言明。「トルコが自分たちの推し進めたいシステムはS400だと判断するのなら、われわれは同国での任務をやめさせなければならない」と述べた。

 さらに同氏は、米航空・防衛機器大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)、航空機・機械大手ユナイテッド・テクノロジーズ(UTC)との会合で、トルコがS400の導入を中止しない場合の選択肢を協議したと明らかにした。

 トルコでは複数の製造業者がF35の部品・装備製造に参加。内蔵の「スタンドオフ・ミサイル」(敵の射程外から発射できる長距離ミサイル)を製造しているほか、機体組み立てや配線を担当し、北大西洋条約機構(NATO)のF35製造計画の一端を担っている。

 米政府はすでにトルコとの共同製造活動を凍結。同国に対し、ロシアからのミサイル防衛システム調達の見送りを条件に、米国製システムの導入を認める姿勢を示してきた。

 しかし、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、ロシア製のミサイルシステムを購入すると主張している。(c)AFP