【5月4日 AFP】国連(UN)は3日、北朝鮮が年初来の食料配給量を年間の同じ時期として過去最低水準にまで削減しているとの報告を発表した。国外からの支援がなければ、北朝鮮は配給の追加削減を迫られる可能性があるという。

 国連の食糧農業機関(FAO)、世界食糧計画(WFP)の分析によれば、北朝鮮では過去10年で最悪の飢饉(ききん)の後、人口の40%に当たる約1010万人が深刻な食料不足に見舞われている。

 両機関の専門家らは昨年11月と今年4月、北朝鮮の食料安全保障状況を評価するため同国を訪れ、集団農場のほか、農村部、都市部、配給施設を視察した。

 調査団によると、北朝鮮国民の多くが政府の配給制度に食料を頼る中、今年1〜4月の配給量は1人1日当たり300グラムと、昨年同期の380グラムから削減を余儀なくされていた。たんぱく質の摂取量が著しく少ない世帯が多く、コメや白菜キムチを食べて持ちこたえているという。

 調査団を率いたニコラ・ビドー(Nicolas Bidault)氏は「心配な状況だ。多くの地域がすでに極度に脆弱(ぜいじゃく)な状態にある上、ただでさえ最小限にまで削減されている食料配給がさらに減れば、深刻な食糧危機に陥る恐れがある」と指摘した。

 報告は「大規模な外的支援がなければ、作物の収量が最も減少する6〜10月の危険な時期に配給がさらに削減されかねない」と警告している。(c)AFP