【5月3日 AFP】米国防総省は2日、議会に提出した年次報告書の中で、中国が大経済圏構想「一帯一路(One Belt One Road)」への投資を保護するため、世界各地に新たな軍事拠点を建設していくとの見通しを示した。

 中国の海外軍事基地は現在、東アフリカのジブチにあるのが唯一。だが、中国の軍事・安全保障の動向に関する国防総省の報告書は、中国が世界に冠たる超大国として振る舞おうとしている以上、「長く友好関係にあり戦略的利益を共有するパキスタンのような国や、外国軍が駐留した前例のある国に、新たな軍事基地を築こうとするだろう」と述べている。

 こうした試みは、各国が中国人民解放軍(People's Liberation Army)の常駐容認に慎重になれば、抑制できる可能性があると報告書は指摘している。

 軍事拠点の候補地としては、中東や東南アジア、西太平洋が含まれているとみられる。

 習近平(Xi Jinping)国家主席は、東アジアと東南アジアにとどまらない中国の影響力拡大を狙っており、国際機関や先進技術分野での存在感を高めているほか、経済大国の地位を確立している。また、陸・海・宇宙で軍事力を誇示している。

「中国指導部は、中国の経済的、外交的、軍事的な影響力の増大を利用して地域における優位性を確固たるものとし、国際社会における勢力を拡大しつつある」との見方を国防総省は示している。(c)AFP