【5月7日 Xinhua News】2018年中国考古学十大発見の一つ、重慶市(Chongqing)合川区(Hechuan)の釣魚城范家堰南宋衙署遺跡から出土した約700年前の「鉄火雷(鉄火砲)」の一部について、専門家は考古学界の研究を通じて、中国や世界でこれまで見つかった中で最古の爆弾の遺物だと推定した。

 釣魚城は重慶市合川区東城半島の釣魚山上に築かれ、13世紀の南宋・モンゴル戦争では、南宋の四川や重慶地域における山城防御体系の重要な一部となった。

 長年、同遺跡で考古学研究を続けている重慶市文化遺産研究院の袁東山(Yuan Dongshan)副院長は、衙署(役所)遺跡から出土した13世紀後期の宋代鉄火雷の一部について、「中国や世界の火器史上、最も古い種類の爆弾と言える」と紹介。釣魚城遺跡で最も重要な発見の一つだと指摘した。

 袁氏は、鉄火雷には起爆のための導火線が仕込まれており、相当な威力を備えていると説明。700年前は火器がそれまでの武器に取って代わった時代であり、当時の科学進歩の最先端を体現する兵器だった可能性があると述べた。

 中国人民解放軍軍事科学院の鍾少異(Zhong Shaoyi)研究員は、重慶で出土した南宋の鉄火砲は信頼性が高く、火薬火器の発明史研究で長年欠落していた実物資料を提供しただけでなく、13世紀の戦争史や軍事史を詳細に研究する上でも、新たな物証資料を提供しており、重要な学術的意義を持つと評価した。(c)Xinhua News/AFPBB News