【5月2日 AFP】来年行われる台湾の総統選に出馬を表明した、鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ、Terry Gou)会長(69)は1日、米ホワイトハウス(White House)でドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領と面会し、総統の仕事は「タフな仕事」と忠告されたと明らかにした。

 富士康科技集団(フォックスコン、Foxconn)を傘下に置く大手電子機器メーカーである鴻海の郭氏は先月、道教の海の女神「媽祖(Matsu)」から促されたとして、来年1月に行われる総統選への出馬を電撃的に発表。

 郭氏は、中国寄りの野党・国民党(KMT)からの指名獲得を目指している。しかし、中国本土に巨大工場を複数所有しており、郭氏と中国政府の親密ぶりに対しては懸念の声が上がっている。

 台湾の政治家らはここ数か月、在米台湾人や有力な米当局者からの支持を集めるべく、相次ぎ米首都ワシントンを訪問している。しかし、トランプ氏との対面にこぎ着けることができたのは、郭氏だけだ。

 郭氏はトランプ氏との面会後、報道陣に対して「私が中華民国(台湾)の総統に選ばれたなら、ピースメーカーとなり、トラブルメーカーにはならない。台湾と米国を経済的に強化していく」と語った。

 郭氏は、中国政府に対してより懐疑的な姿勢を取る与党・民主進歩党(民進党、DPP)への批判の中で、ホワイトハウスと自らのコネクションを誇らしげに披露。「大統領執務室(に招かれる)という最高の待遇を受けた。民進党関係者はこれまで、このような力があっただろうか?」と述べた後、トランプ氏のサインがデザインされたコースターとペンを報道陣に披露した。

 一方でトランプ氏の発言内容を問われると、郭氏は「(総統であることは)タフな仕事だと話していた」と述べた。(c)AFP