【5月2日 AFP】先月20日のエンジン試験中に爆発したとみられている米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)のカプセル型宇宙船クルー・ドラゴン(Crew Dragon)について、米航空宇宙局(NASA)の予算を管理する米議会上院歳出委員会のリチャード・シェルビー(Richard Shelby)委員長は1日、「全損した」と明らかにした。

【写真】スペースXの宇宙船「ドラゴン」、ISSドッキングに成功

 NASAとスペースXは、エンジン試験中に「異常」が発生したとのみ発表し、重大とみられるトラブルを引き起こした原因に関しては固く口をつぐんでいる。しかし、ツイッター(Twitter)に流出した動画には爆発の様子が映っており、NASAも後に間接的ながら、この動画が本物だと認めた。

 シェルビー氏は、1日に開かれた上院歳出委員会の公聴会で「スペースXの直近の異常により、カプセルは全損した」と述べた。

 NASAのジム・ブライデンスタイン(James Bridenstine)長官はシェルビー氏に対し、この事故についてスペースXと共同調査を行うと説明したという。

 NASAはイーロン・マスク(Elon Musk)氏が創業し最高経営責任者(CEO)を務めるスペースXや米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)と協力し、米国人宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に送るミッションの再開を目指している。

 クルー・ドラゴンによる初の有人飛行は年内に実施を予定しており、今回爆発したカプセルは今後、緊急時の地球帰還を可能とする飛行中止システムの実船試験でも使われる予定だった。(c)AFP