【5月2日 AFP】タイ政府は1日、ワチラロンコン(Maha Vajiralongkorn)国王とかねてパートナー関係にあったタイ国際航空(Thai Airways)の元客室乗務員、スティダー・ワチラロンコン・ナ・アユタヤ(Suthida Vajiralongkorn na Ayudhya)さんが同国王の4人目の妻になったと発表した。国王の戴冠式を週末に控える中、驚きの発表となった。

 官報によると、スティダーさんはこれまでも「国王の妻(Queen Consort)」の地位にあったが、王室の伝統にのっとって国王と「法的に結婚した」ことで、「スティダー王妃(Queen Suthida)」となった。

 この発表を伝えたテレビ放送は、首都バンコクのドゥシット宮殿(Dusit palace)で行われた婚姻の儀式の様子を放映。映像では、白い軍服姿の国王と、伝統のタイシルクのドレスを着たスティダー王妃の姿が見られた。

 ワチラロンコン国王は4日から3日間にわたる大掛かりな儀式を経て、チャクリ(Chakri)王朝の第10代国王として正式に戴冠する。タイ国王の戴冠式は、同国王の父であるプミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)前国王の戴冠以来70年ぶり。

 ワチラロンコン国王は前国王の死去を受けて2016年に即位したが、戴冠式は行われていなかった。

 同国王は過去3回の結婚歴があるほか、頻繁にドイツを訪れている。タイでは不敬罪に関連する法規が厳しく、同国王の華やかな私生活に対する国民の視線が遮られている上、報道各社は自己検閲を余儀なくされている。(c)AFP