【5月1日 AFP】南米ベネズエラの首都カラカスのカルロタ(Carlota)空軍基地前は4月30日、煙と催涙ガスに包まれた。

 基地前には、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の退陣を目指す野党指導者で、暫定大統領への就任を宣言したフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長の呼び掛けに応じグアイド氏支持を表明した兵士らを支援するため野党支持者数千人が集結した。

 グアイド氏に忠誠を誓った兵士らは、青い布を身に着けていた。集まった群衆はベネズエラの国旗を振り、繰り返し「ベネズエラに自由を」と叫んだ。

 基地前で撮影され、30日朝にインターネット上に投稿された動画には、グアイド氏が「勇敢な兵士たち」の支持を受けていると主張する様子が映っている。

 グアイド氏を支持する兵士の一人は「われわれも国民であり、この独裁政治にうんざりしている」とAFPの取材に対し語った。

 支持者らは、催涙ガス弾から守るため布で頭を覆い、近くの幹線道路から基地を取り囲むフェンスに接近し、石と火炎瓶を投げつけた。

 一部のデモ参加者はフェンスに開いた穴から基地に入ったが、すぐに追い出された。マドゥロ政権支持の兵士らがデモ隊に向かって発砲し、催涙ガス弾を投げつけたため、基地前は大混乱に陥った。

 保健当局によると、この衝突で少なくとも69人が負傷したが、うち2人は発砲による負傷だった。

 政府は、軍の兵士1人が首に銃弾を受けたと主張している。政府は、蜂起の深刻さを軽く見ており、支持者らに対し大統領宮殿に集まり、マドゥロ氏支持を表明するよう呼び掛けた。

 テレビでは、マドゥロ氏支持の兵士が装甲車で抗議デモに突っ込む様子が映された。(c)AFP/Esteban ROJAS