【5月1日 AFP】スーダンで4月30日、オマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)前大統領の失脚から3週間近くたった現在も暫定軍事評議会が民政移管に真剣に取り組んでいないとして、反政府デモ側が大規模な抗議集会を呼び掛けた。

 反政府デモの指導部と暫定軍事評議会は4月27日、民間人と軍人から成る合同の統治評議会の新設で合意したものの、その構成をめぐり意見が対立。軍事評議会側が新評議会の定員を軍人7人と民間人3人の計10人と提案したことで、両者の溝が深まった。

 さらにあるスーダン軍司令官は、暫定軍事評議会の議長を現在務めているアブドルファタハ・ブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)大将がそのまま新評議会の議長に就くとも発表している。

 こうした動きに反発し、反政府デモ側は首都ハルツームの軍本部前に築いているバリケードを強化。デモを主導する民主化勢力「自由・変革同盟(Alliance for Freedom and Change)」は、「民政というわれわれの主要な要求を主張するため、5月2日に100万人のデモ行進を行う」と宣言した。

 同じくデモを主導するスーダン専門職組合(Sudanese Professionals Association)の指導者であるモハメド・ナジ・アッサム(Mohamed Naji al-Assam)氏は、「暫定軍事評議会は民政移管に真剣ではない」と批判した。

 反政府デモ側は新評議会の定員を15人とし、うち軍人を7人にとどめ、民間人が過半数を占める構成にするよう求めている。

 両者の溝が深まっていることに加え、軍事評議会は4月29日、デモ隊との衝突で全土で計6人の治安要員が死亡したと発表。また、市場での火事や強奪も起きているという。一方でデモ側の指導者らは軍事評議会に対し、ハルツームの座り込み現場以外で起きた出来事はデモ隊によるものではないと伝えたという。

 抗議側の一団によると、軍は4月29日夜、軍本部前のバリケードを撤去して座り込みを解散させようとした。

 AFP特派員によると、4月30日にはハルツーム中心部に機関銃を装備した軍車両数台が配備された。(c)AFP/Abdelmoneim Abu Idris Ali and Menna Zaki