【5月1日 AFP】米国のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は4月30日、ベネズエラの首都カラカスで軍が蜂起したことを受け、同国のニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領がキューバへの亡命を試みたが、後ろ盾であるロシアによって制止され断念したと明らかにした。

 ポンペオ長官は米CNNテレビに対し、「マドゥロ氏は滑走路に飛行機を用意していた。今朝(ベネズエラを)離れようとしていたものと把握している。だが、ロシアがマドゥロ氏にとどまるべきだと伝えた」と説明した。

 米中央情報局(CIA)元長官のポンペオ氏は情報源については明らかにしなかったが、一般公開されている情報を確認すると同時に、米当局が「現地の非常に多くの人々と話をした」と述べ、「マドゥロ氏の飛行機が滑走路に止められ、同氏が出発の準備をしていたことが、大変多くの会話からうかがえたことは事実だ」と語った。

■ブラジルへの亡命申請兵士は少なくとも25人

 一方、ベネズエラ暫定大統領への就任を宣言した野党指導者のフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長が、マドゥロ政権打倒陣営に軍が合流したと宣言する中、ブラジル大使館に亡命を求めている兵士らがいると、ブラジル政府関係者が30日明かした。

 ブラジル大統領府筋はAFPに対し、ベネズエラ軍兵士による「複数の(亡命)申請があった」ことを認めた。ただし申請した兵士の階級や人数といった具体的な内容は明らかにしなかった。

 ブラジルのメディアは、これまでに少なくとも25人のベネズエラ軍兵士が亡命を申請したと報じている。

 ベネズエラ軍兵士らの亡命申請に先立ち、ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領はツイッター(Twitter)への投稿で、「独裁者(マドゥロ大統領)によって奴隷化されているベネズエラ国民」の側につき、グアイド氏をベネズエラ大統領として支持すると表明している。(c)AFP