【4月30日 AFP】(更新、写真追加)南米ベネズエラの野党指導者で、暫定大統領への就任を宣言したフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長は30日、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の退陣を目指す自身の運動に、兵士らが加わったと発表した。政府はこれをクーデターの試みだとし、鎮圧する構えを示している。

 軍内部での支持拡大を示したグアイド氏の発表は慎重に計画されたとみられるが、首都カラカス東部では発表を受け暴動が発生し、街からは黒煙が上がった。

 ベネズエラ政府は、クーデターを試みた少数の「反逆的」兵士を「解散」させると表明している。

 マドゥロ氏は、グアイド氏との数か月にわたる対立の中でも軍部の後ろ盾により政権を維持してきており、軍の強固な支持が弱まった兆しは今のところほとんどない。マドゥロ氏はツイッター(Twitter)で、軍幹部らは自身に「完全な忠誠」を誓っていると主張した。

 一方のカラカス市内では混乱が拡大。軍基地そばの幹線道路には数千人が集結し、その多くはベネズエラ国旗を掲げた。

 50か国以上からベネズエラの暫定大統領として認められているグアイド氏は同日早朝、支持者らに対する動画メッセージを公開。マドゥロ政権打倒運動への参加を促す数か月にわたる呼び掛けに応じたとされる武装兵士らを従え、カルロタ(Carlota)空軍基地前から、基地内の兵士らに対して合流を呼び掛けた。

 同氏は動画で、これはマドゥロ政権の「終わりの始まり」だと主張し、「もう後には戻れない」と述べた。

 だが基地周辺に人々が集結すると、警察は群衆を基地から遠ざけるために催涙ガスを使用した。その後、暴動鎮圧用の装備をした兵士らが、装甲車と放水砲の援護の下、催涙ガスが渦巻く幹線道路に規制線を張り、デモ隊と対峙(たいじ)。複数の装甲車が群衆に突っ込み、デモ隊の一部が負傷した。暴徒らは後に、幹線道路をバスで封鎖し、その車体に火を放った。(c)AFP/Alexander MARTINEZ