【4月29日 AFP】フランス・パリの警察当局は27日、ノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)大火災の影響で、周辺の家屋や社屋の表面に鉛の粉じんが付着した可能性があるとしてちりを拭き取るよう勧告した。

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 警察によると、850年前に建造された大聖堂や崩落した尖塔(せんとう)が今月15日に炎上したことにより、有害な鉛の分子が放出されたことが検証でわかった。鉛が検出された地区は大聖堂周辺に極めて集中し、「とりわけ火災の際に開け放されていた可能性がある屋内や、ちりがたまっていた場所」であることが調査で明らかになったという。

 鉛中毒は長年鉛にさらされて発症する場合が大半であるため、警察は、脅威は限定的だと述べた。大聖堂の屋根が火災で損壊して以来、急性鉛中毒の報告はない。

 警察はその上で、ノートルダム近隣の住民に、「家屋や家の内部、家具などを掃除し、ウエットワイパー類でちりを拭き取ることを勧告する」と述べた。大聖堂周辺の庭園など公共の場所は人々を鉛にさらすリスクがあるため、鉛の濃度が正常に戻るまで閉鎖されるとした。

 仏環境団体「ロバンデボワ(Robin des Bois)」は先週、火災によって屋根と尖塔に使われていた約300トンの鉛が溶け出したと指摘していた。当局によると、火災時、炎の温度は最も高くて800度に達したという。(c)AFP