【4月28日 AFP】強い勢力を持つカテゴリー3のサイクロン「ケネス(Kenneth)」が25日、モザンビーク北部のカボデルガド(Cabo Delgado)州に上陸した。これまでに1人の死亡が確認されたほか、多数の住宅の倒壊や通信網の途絶といった被害が発生している。同国は約1か月前にも、史上最悪規模のサイクロン「アイダイ(Idai)」に見舞われたばかり。

 サイクロン「ケネス」は、コモロ諸島(Comoros Islands)を経てモザンビークに上陸。モザンビークの国家災害管理院(INGC)は、カボデルガド州の州都ペンバ(Pemba)でココナツの木が倒れて1人が死亡し、深刻な洪水や土砂崩れに加え、広範囲で停電が発生していると明らかにした。

 INGCのアントニオ・ベレーザ(Antonio Beleza)報道官によると、人口約6000人の観光地、イボ島(Ibo Island)では、住宅の90%が倒壊した。南アフリカ人の旅行業者でイボ島にホテルを所有している男性は、「まるで島に爆弾が落とされたみたいだ」と語った。

 3月14日と15日の夜間に襲ったサイクロン「アイダイ」による洪水で住宅や道路、橋が破壊されたモザンビーク中部の被災地はまだ復興の途上にある。アイダイは隣国のジンバブエやマラウイにも被害をもたらし、3か国で合わせて1000人以上が死亡。被害総額は推計20億ドル(約2200億円)に及んだ。

 国連の世界食糧計画(WFP)は25日、ケネスは今後数日間で一部の地域に600ミリを超える雨を降らせるとの見方を示した。アイダイでモザンビーク中部の都市ベイラ(Beira)に降った雨の約2倍に当たる。アイダイによるこの豪雨でモザンビークの一部地域は冠水し、海のようになった。

 映像は、サイクロンの直撃で破壊された建物や被害を受けた地域。27日撮影。(c)AFP/Gregory Walton, with Joaquim Nhamirre in Maputo