【4月26日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)のシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)は25日、チームメートのセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)に有利なチームオーダーを受け入れる用意はあるとしながらも、それは状況次第だという秘めた反抗心をあらわにした。

 今季第4戦のアゼルバイジャンGP(Azerbaijan Grand Prix 2019)が開催されるバクーの市街地コースがお気に入りのトラックの一つである21歳のルクレールは、「もちろん、F1には常にチームオーダーというものが存在する」と認識しながらも、完全に服従することについては慎重な姿勢を示した。

「だけど、それに従うかどうかは状況次第だ。状況によって自分は…」と途中で言葉を切ったルクレールは、多少の明確な意思表示として、チームのマッティア・ビノット(Mattia Binotto)代表がフェラーリのためにより大きな責任を負っているという謎めいた表現を使った。

「彼はピットウォールから決断を下さなければならない」「レースの最後には、マシンに乗っている僕よりも、彼らの方がたくさんのドラマに直面している」

 2週間前に行われた第3戦中国GP(Chinese Grand Prix 2019)でルクレールは3位を走行していたが、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)とバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)をとらえて優勝争いをするために、チームからベッテルを先に行かせるように指示された。

 ベッテルはルクレールを抜かしたものの、ハミルトンの優勝とボッタスが2位に入るのを阻止することはできず、今季開幕から3戦連続となるメルセデスのワンツーフィニッシュを許してしまった。フェラーリはベッテルが3位に終わり、ルクレールはレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)にも抜かされ5位に後退した。

 第2戦バーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2019)ではエンジントラブルに見舞われて優勝を逃したルクレールは、五分五分の状況ではベッテルが優遇されることは分かっていると話したものの、これからも自分の実力を証明していくという姿勢を見せた。

「証明していくことがたくさんある。マシンの中で最高の仕事ができるかは自分次第で、自分に何ができるかチームに証明していくことだ」「やるべきことを続け、自分を向上させる努力をしていく中で、そのうち状況が変わることを願っている」

 ルクレールはまた、タイトル争いでベッテルを上回る可能性について聞かれると、「その力はあると信じている。だけど、その可能性を実現させるためには、たくさんの仕事をこなし、いろいろな要素が全てまとまっていく必要がある」と答えた。(c)AFP