【4月26日 AFP】ダカールラリー(Dakar Rally)の主催者は25日、人権問題で物議を醸しているサウジアラビアで2020年からレースを開催する決定を下したことについて、「開放への真の欲求」があると擁護した。

 世界で最も過酷なレースとして知られるダカールラリーは、2020年から5年間、サウジアラビアで開催されることになった。レースは治安悪化で新たな開催地の模索を余儀なくされた2007年までアフリカで29年間行われており、それ以降は今年まで11年にわたり南米で開催されていた。

 しかしながら、南米から開催権を奪い取ったサウジアラビアは今週、37人の死刑執行を行うなど人権問題で大きな批判にさらされている。その中でダカールラリーの主催者は、とりわけ同国の反政府活動家に対する人権問題や隣国イエメンへの軍事介入に関して、自問してきたと主張した。

 大会ディレクターを務めるデビッド・カステラ(David Castera)氏は、「私たちは手を差し伸べてきた」「自分たちでも疑問を呈してきたが、開放への真の欲求がみられる」と述べた。

 サウジアラビアの首都リヤド郊外で来年1月5日から17日までレースが開催されることが発表され、ダカールラリーの関係者いわく同国の「息をのむような景観」を映した動画が公開された。

 サウジアラビアのスポーツ省に相当するゼネラル・スポーツ・オーソリティー(GSA)で総裁を務めるアブドルアジズ・ビン・ツルキ・ファイサル・アル・サウード(Abdulaziz bin Turki Al Faisal Al Saud)王子は、「きょうは、中東におけるダカールラリーの新たな章の始まりだ」と述べた。

 さらに、同国のモータースポーツ連盟の責任者であるハリド・ビン・スルタン・アブドラ・アル・ファイサル(Khalid bin Sultan Abdullah Al Faisal)王子も、「ダカールはサウジアラビアの真の顔を示すだろう」と語った。(c)AFP