【5月4日 CNS】中国・山東省(Shandong)菏沢市(Heze)は、美しいボタンの花で有名だ。しかし、この町には海外で良く知られたもう一つの名産品がある。「菏沢の棺桶」だ。

 2017年には、日本のテレビ局の撮影チームがこの地に入り、日本の約9割の棺桶が中国製で、その大部分は山東・菏沢で生産されているなどと報じている。菏沢の棺桶がなぜ、日本の棺桶市場で主たる地位を占めるようになったのか。菏沢で最も代表的な「棺桶の町」曹県(Cao)荘寨鎮(Zhuangzhai)に赴いた。

 荘寨鎮の外側の空き地に、整然と板材が並べられていた。道路沿いには、「木材関連業会社」や「木材加工」と書かれた看板が至る所に立てられている。この町では品質の良いキリの木材資源をベースとした木材加工業が発達し、多くの企業がこの地に根を下ろしている。

 荘寨鎮によると、同鎮には木材加工企業が2569社、木材加工個人経営者が5000軒ある(2018年末時点)。これら木材加工業者の多くは棺桶を製造している。荘寨鎮で作られる棺桶が長期にわたって日本の消費者に認められている理由は、良好な評判と品質の高さ、合理的な価格にあるという。

 荘寨鎮は、豊かな木材資源によって棺桶ビジネスを大きく成長させた。大部分の製造業者は、棺桶の生産みのではなく、総合的な葬祭関連商品の生産へと転換している。「菏沢徳弘木業(Heze Dehong Muye)」の馮香雲(Feng Xiangyun)総経理によると、同社が製造する棺桶は日本市場の25%のシェアを占めており、同社は現在では葬祭業全体へと生産を拡大しているという。(c)CNS/JCM/AFPBB News