【4月26日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)は25日、2019年のドラフトが行われ、全米大学内の年間最優秀選手に贈られるハイズマン賞(The Heisman Memorial Trophy Award)に選出されたカイラー・マレー(Kyler Murray)が、アリゾナ・カーディナルス(Arizona Cardinals)から全体1位指名を受けた。

 アメリカンフットボールと野球の二刀流選手であるマレーは、昨年米大リーグ(MLB)のドラフトでオークランド・アスレチックス(Oakland Athletics)から全体9位で指名されており、MLBとNFLの両方で1巡目指名を受けた史上初の選手となった。

 今年2月にアメフト選手として専念することを表明し、アスレチックスに470万ドル(約5億2500万円)の契約金を返還することで合意していたマレーは、NFLでドラフト指名されたことについて、「子どもの頃からの夢だった」とすると、「僕を後押ししてくれた皆さんには、感謝しきれない」「試合に出ることが待ちきれない。ここまで長かった」とコメントした。

 カーディナルスはすぐにマレーを先発QBとして起用することを望んでいるが、昨年のドラフトでも1巡目でQBジョシュ・ローゼン(Josh Rosen)を獲得していることから複雑な状況に直面。今回正式にマレーを獲得したことによって、一部では2018年シーズンの先発QBだったローゼンがトレード要員になるとの声が出ている。

 2018年シーズンはパスでタッチダウン42本、ランで同12本を記録した一方で、7度のインターセプトを喫したマレーは、タレントがそろった2019年のNFLドラフトでトップ指名を受けた。

 万能選手のマレーは身長5フィート10インチ(約178センチ)でQBとしては小柄なことが懸念されているが、同じQBであるシアトル・シーホークス(Seattle Seahawks)のラッセル・ウィルソン(Russell Wilson)や、NFLとカナディアン・フットボール・リーグ(CFL)などで20年にわたり活躍したダグ・フルーティー(Doug Flutie)氏も6フィート(約183センチ)に届かない身長が不利にはたらくことは一度もなかった。

 この日のドラフトでは、サンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)がオハイオ州立大学(Ohio State University)のDEニック・ボサ(Nick Bosa)を全体2位で獲得し、ニューヨーク・ジェッツ(New York Jets)がアラバマ大学(University of Alabama)大学のDTクイナン・ウィリアムズ(Quinnen Williams)を同3位で指名した。(c)AFP