【4月26日 AFP】エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領(41)は25日、フランスで半年近く続いている反政府デモ運動「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」を受け、長く待ち望まれていた対応策を発表した。マクロン氏は大幅減税やエリート校のフランス国立行政学院(ENA)閉鎖の意向を表明した一方で、国内の秩序回復を約束した。

 マクロン氏は、フランスに若々しい息吹をもたらすとの期待を受けて2017年に大統領に就任。しかしこの半年は、社会の格差に抗議するデモを毎週繰り広げる黄色いベスト運動により勢いをそがれてきた。

 就任後初めて国内で正式記者会見を開いたマクロン氏は、国内労働者に対する所得税の「大幅」削減を約束。一方で、政権発足当初に決定し批判を浴びた富裕税廃止については、2020年に再検討するとしつつも、「生産を刺激するための改革で、富裕層への贈り物ではない」と釈明した。

 マクロン氏はまた、「ENAなどを閉鎖し、他のものを築く必要がある」と述べたが、閉鎖に向けた具体的な計画は示さなかった。1945年に創設されたENAは、マクロン氏自身を含む歴代大統領や高級官僚を輩出し、フランスのエリート主義の象徴となっている。

 マクロン氏は自身の改革計画を推し進めると明言。デモが暴動に発展することもあった黄色いベスト運動については、秩序を回復する時が来ていると警告した。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT and Stuart WILLIAMS