【4月29日 CNS】中国が、月探査機の「嫦娥(Chang'e)5号」「嫦娥6号」と、同国初の火星探査機など重要開発プロジェクトを急ピッチで進めていることがわかった。中国空間技術研究院(China Academy of Space TechnologyCAST)がこのほど北京で開催した「月・深宇宙探査技術国際学術フォーラム」(International Forum on lunar and deep space explorationLDSE)で明らかにされた。

 フォーラムには、内外から多くの専門家が参集し、月・深宇宙探査分野の最新成果や研究状況に関する学術交流を行った。専門家らは、月・深宇宙探査のミッション実施や科学技術成果の応用、国際協力などについて踏み込んだ討論を行った。

 中国空間技術研究院は同フォーラムの席上、「中国の宇宙空間技術発展の主力機関、月・深宇宙探査の主要研究開発機関として、当研究院は月や火星の探査機を基軸に、中国が急ぎ進めている月面科学研究のための無人ステーションや小惑星探査、火星と木星系探査、太陽系辺縁部探査、星間空間探査など一連の重要プロジェクトを計画し、実行していく」と述べた。

 中国はこれまで、「嫦娥1号」から同3号までと、「嫦娥5号」の高速再突入帰還実験や、「嫦娥4号」による探査を含む5回の月探査ミッションを無事完了している。多くの国や国際機関と幅広い国際協力を進め、一連の科学的成果と技術的成果を上げている。

 中国空間技術研究院は、「嫦娥4号から送られたデータを中国や海外の科学者と共同で研究する過程で、月面で最も古い火山の火口のデータから一連の驚くべき大発見が得られる可能性がある」と明かした。

 中国空間技術研究院は、今回の学術フォーラムを「月と深宇宙の探査活動における国際交流、協力のプラットホーム」と位置付けており、宇宙空間の平和利用のため中国の知恵や力を発揮したいとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News