【4月25日 AFP】バドミントン男子、元世界ランキング1位のリー・チョンウェイ(Chong Wei Lee、マレーシア)が、5月に中国で開催される男女混合の国別対抗戦スディルマンカップ(2019 Sudirman Cup)の出場を見合わせることになった。リーは現在鼻のがんの治療中で、マレーシアバドミントン協会(BAM)の役員によると、同選手は医師から「努力」しないようにと忠告を受けたという。

 5月16日から29日まで中国・南寧(Nanning)で行われる同大会の欠場により、36歳のリーの戦列復帰がなくなったのはこれが3度目となった。2020年東京五輪出場の希望も消える可能性がある。

 リーはこれまでに、3月の全英オープン(YONEX All England Open Badminton Championships 2019)、さらに4月のマレーシア・オープン(CELCOM AXIATA Malaysia Open 2019)の出場を見送っていた。

 これまでに五輪で3度銀メダルを獲得しているリーは、昨年7月に初期の鼻のがんと診断されてから戦線離脱しており、完全復活に向けて苦しんでいる。台湾の専門医の下で過酷な治療を受けながらも現役引退の道は選択せず、今年に入ってからは練習を再開していた。

 BAMの役員によるとリーは「治療中」で、「医師から努力せず、まだ大会に参加しないように忠告を受けた」という。

 リーの復帰が遅れることで、東京五輪出場の夢が危機にさらされるのではないかと問われた同役員は「影響が及ぶかもしれない」とし、今年の8月14日までに復帰できなければ、プロテクションがかかっている世界ランク3位から転落すると付け加えた。

「それ以降は順位が落ちることになり、リーが主要大会に出場するのが難しくなるだろう」

 同役員はまた、リーが5月以降に世界バドミントン連盟(BWF)の主催大会に登録を行っていないと明かした。

「彼を急かそうとはしない。彼が大会に復帰したいと思ったときに判断させる。リー次第だ」

 五輪のシングルスの出場枠は各国最大2で、両選手ともに世界ランキング16位以内に入っていることが条件となる。しかし、リーは休養中にランクが73位まで下降しており、マレーシアの選手3人に抜かれているため、ここからランキングを上げていく必要がある。(c)AFP