■「衝撃的なレベルの準備不足」

 こうした状況について活動家らは、監視機関による労働者の権利をめぐるさらなる調査を衣類関連企業が嫌っていると指摘する。これらの労働者の最低賃金は1か月95ドル(約1万円)だ。

 バングラデシュの工場・事業所監督局(DIFE)のシブ・ナート・ロイ(Shib Nath Roy)局長は、同局が国際的な監視機関の仕事を引き受けるのに適した機関に成長したと主張する。

 ただ、クリーン・クローズ・キャンペーンや「国際労働権フォーラム(International Labor Rights Forum)」などの労働者の権利推進団体は、政府が監視機能を引き受ける準備が整っていると自負していることには懐疑的だ。

 現状に厳しい視線を投げかけるこれら団体によると、政府の検査プログラムの対象となっていた745の工場はいずれもまだ、過去5年間に指摘された「安全上の問題」を排除できていないという。

 また、今月発表の報告書では、政府にアコードの業務を引き継ぐ準備はできておらず、「その準備不足のレベルは衝撃的だ」とも指摘している。(c) Sam JAHAN