【4月25日 AFP】米国では麻疹(はしか)の感染報告が今年に入って695件に上り、2000年の「根絶」宣言後、最多となった。米疾病対策センター(CDC)が24日、明らかにした。昨年末以降、ワシントン州とニューヨーク州を中心に感染が拡大している。

 今回の再流行の背景には、先進国で広がる反ワクチン運動の影響がある。世界保健機関(WHO)は、反ワクチン運動を「健康に対する主要かつ世界的な脅威」と位置付けている。

 米国での感染は今のところ、ワクチン接種率が全米平均(90%)より低く、住民の結び付きの強い一部地域にとどまっている。イスラエルとウクライナから帰国した住民から、ワクチンを接種していない地域住民に感染が広がったとみられる。

 これまで感染が確認された州は、全米22州に上る。

 ニューヨーク市ではビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長が今月、ブルックリン(Brooklyn)地区の一部地域を対象に公衆衛生上の非常事態を宣言し、全住民に麻疹の予防接種を義務付ける事態となっている。(c)AFP