【4月27日 Xinhua News】中国科学技術大学の薛天(Xue Tian)教授の研究チームはこのほど、中国科学院神経科学研究所の仇子竜(Qiu Zilong)研究員のチームと共同で「相同組み換え修復(HDR)」により、初めて実験用マウスの遺伝子を正確に修復し、網膜色素変性症のマウスの視覚機能を部分的に回復させた。

 CRISPR-Cas9ゲノム編集システムは、網膜色素変性症のような遺伝性疾患を治療する潜在的な手段の一つで、ゲノム切断後にHDRと呼ばれるDNA修復メカニズムが発生し、間違った遺伝子を正確に「修正」する。だが、この修復メカニズムは出生後に分裂能力を失った光受容体細胞では発生効率が極めて低く、治療上の大きな難点となっている。

 この問題を解決するため、研究者は一種の複合タンパク質システムを新たに導入した。これはDNA切断部位付近でより多くの鋳型DNAを集め、相同組み換えの発生を促進し、修復効率を向上させるもので、この新しい遺伝子編集方法により、チームは網膜桿(かん)体細胞の色素変性変異の修復に成功。視細胞を構成する桿体細胞と錐体細胞の退化を部分的に抑制し、罹患マウスでは視細胞が光を感じる能力の一部を取り戻した。この方法は、非分裂細胞におけるHDR発生の制約を解決するため、さまざまなヒトの遺伝性疾患の治療に幅広く応用できる可能性がある。(c)Xinhua News/AFPBB News