【4月30日 Xinhua News】「世界で最も重要な三つの資産管理市場のうち、大幅成長のチャンスがあるのは中国だけだ」。イタリアの資産運用会社アジムットの役員兼アジア太平洋地域CEOのマッシモ・グイアティ氏は、どのグローバルな資産運用会社にとっても中国市場は諦めることのできない市場だと指摘した。

 アジムットは、イタリア最大手の独立系資産運用会社の一つで、運用資産は600億ドル(1ドル=約112円)を超える。最近では上海で、中国内地のファミリーオフィス(富裕層の自前の運用会社)サービス機関である優脈財富匯と戦略提携協定に署名。香港の子会社を通じて後者に戦略投資を行い、その重要な株主になる。

 アジムットが期待をかけるファミリーオフィスは、海外では成熟した業態だが、中国ではここ数年で芽生えたばかりの新業態だ。

 中信銀行プライベートバンクと中国の民間調査会社の胡潤研究院は昨年11月、「2018中国企業家家族継承白書」を発表した。これによると、昨年1月時点で、資産額1億元(1元=約17円)を超える中国の超富裕層は前年比9.9%増の13万3000世帯に達した。うち投資可能資産1億元以上は7万8000世帯に上る。調査を受けた超富裕層のうち11.5%はファミリーオフィスを設立したか委託し、63.2%はそれを検討していると回答した。

 アジムットにとって、優脈財富匯との協力は、中国の超富裕層向け資産管理市場に進出する重要な一歩になる。

 広発銀行は今年1月、西南財経大学と共同で「2018中国都市世帯資産健康報告」を発表、中国の世帯資産は年々増加し、2018年に総規模は428兆5000億元に膨らんだと指摘した。また中国で資産規模の上位20%に入った世帯の資産規模は平均454万5000元と、米国のレベルに迫っている。

 これを受け、中国の超富裕層向け資産管理市場に狙いを合わせる国際資産管理大手は増えている。

 昨年10月以降、中国証券投資基金業協会(AMAC)で私募ファンド管理会社登録を終えた外資系機関は17社で、アジムットのほかフィデリティ、ブラックロック、ブリッジウォーター、シュローダーなどの国際大手が名を連ねた。大まかな統計では、以上の機関のうち14社が商品30本を設立、株や債券、クオンツなどに及んだ。

 産融浙鑫財富チーフエコノミストの周栄華(Zhou Ronghua)氏によると、中国内地の機関への株式参加にせよ、100%出資による直接参入にせよ、中国の超富裕層向け資産管理市場に参入しようという国際資産管理機関の意欲は明らかだ。中国金融市場の持続的な開放拡大は、外資系機関に中国事業加速の原動力と機会をより多く提供している。(c)Xinhua News/AFPBB News