【5月3日 Xinhua News】中国甘粛省(Gansu)の蘭州大学(Lanzhou University)第一医院胸部外科はこのほど、世界で先進的な人工知能(AI)肺結節診断システムを導入した。専門家によると、この「AI医師」は肺がん患者の早期スクリーニングを可能にし、胸部外科医に適切な治療戦略を提供する。 

 同科では、患者の画像データが診断システムに次々とアップロードされ、AIによる解析が行われていた。同科の韓彪(Han Biao)主任は、「これまでは医師が肉眼で5~6個の肺結節を識別していたが、AIだと30秒で30個の識別が可能になった」と説明した。同システムは高性能のモバイルワークステーションとAIソフトウエアシステムで構成されており、ビッグデータによるサポートや継続的な更新学習、迅速な診断、正確な診断結果などの特徴を持ち、医師の第2の頭脳としての役割を担う。

 韓氏によると、このAI肺結節診断システムは自動検出が可能で、疑わしい肺の小結節の位置を正確に測定し、スクリーニングで結節をもれなく検出して座標を示す他、結節が疑わしい病巣数や性質、直径、体積、CT値などの情報や、画像診断学的特徴も提示する。

 システムはこの他、同一患者の複数のCT画像データを比較、分析することができるため、医師の時間を大幅に節約するだけでなく、医師が患者の結節の成長速度や動態に対して客観的に判断する際の手助けにもなり、診断精度を高め、早期の診断・治療にも役立つ。

 韓氏はこのシステムについて、医療ビッグデータと世界で先進的なディープラーニング技術が融合した成果であり、医師の経験や人の手に完全に頼っていた従来の医療分野におけるボトルネックを効果的に解消できると強調。システムが肺結節の良悪性の確率を数値で示すことができ、臨床診療との良悪性の一致率は90%に達すると述べた。これにより、医師の経験の差によって生じる誤診がかなりの割合で避けられる他、診断後の治療やフォローアップ計画の制定に対し、デジタル化した根拠を医師に提供する。(c)Xinhua News/AFPBB News