■女王の重圧

 ここまで大坂はハードコート大会で全3タイトルを獲得しており、一つのサーフェスでしかチャンピオンになれていない。そこで今大会では新境地を切り開き、かつて苦手意識を漏らしたこともあるクレーコートの克服に挑戦する。

 大坂は1月、英紙ガーディアン(Guardian)に対して「いつもオールラウンダーになれるんじゃないかとは思ってきた」としながらも、「クレーが苦手だと思ってしまっている。いつも自分にクレーは嫌いと言ってしまっているから、いつまでたっても向き合えずにいる。だからそれを変えないといけない」と話していた。

 しかしながら、大坂がシュツットガルトで闘うのはサーフェスの変化だけではない。

 大坂は1月に世界ランク1位になって周りの選手から追われる存在になって以来、増加したプレッシャーに対応できずにいる。優勝した全豪オープン直後にコーチのサーシャ・バイン(Sascha Bajin)氏と決別すると、それ以降はツアーで準々決勝にも進めていない。

 先月のマイアミ・オープン(Miami Open 2019)3回戦で謝淑薇(Su-Wei Hsieh、シェ・スーウェイ、台湾)に敗れた後には「ナンバーワンの肩書があることで、プレッシャーがあるか聞いてくる人々には対処できていると思った」「うまくできていると思ったけど、そうじゃないのかもしれない」と語っていた。

 ポルシェ・テニス・グランプリでは数多くのスターが出場選手に名を連ねており、大坂はランキングで自身に接近しているライバルと対戦する可能性がある。今大会にはトップ5の全員がエントリーしており、結果次第では大坂を抜く可能性がある選手もいる。(c)AFP