【4月20日 AFP】大火災に見舞われた仏パリのノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)の再建に向け、表明された寄付金の総額が8億5000万ユーロ(約1070億円)を超える中、8か月近く前に同じく大規模火災によって壊滅的な被害を受けたブラジルの国立博物館は同国の富裕層の懐に希望を託している。

 昨年9月2日、中南米で最も重要な自然史博物館である同博物館で、空調設備の欠陥により火災が発生。建物は廃虚と化し、収蔵品の大半に被害が及んだものの、これまでのところ、修復費用として集まった金額は28万ドル(約3100万円)程度にとどまっている。

 同博物館のアレクサンダー・ケルナー(Alexander Kellner)館長はAFPの取材に対し、「フランス社会の極めて積極的な反応を心からうれしく思い、この例に倣い、ブラジルの実業家や大富豪が私たちに寄付し始めてくれるよう願っている」とコメント。

「さらに100万レアル(約2800万円)あれば、たくさんの問題を解決することができ、私たちも一息つけるようになるが、今は人工呼吸しかできていない」として、寄付の必要性を訴えた。

 館長は期待をはるかに下回る額だと認めた上で、ブラジルでは寄付金控除が認められていないことが理由の一つかもしれないと指摘した。

 同博物館の再建費用は、総額でおよそ1億レアル(約28億円)と報じられている。(c)AFP