【4月20日 AFP】米カリフォルニア州ペリス(Perris)の夫婦が実子13人のうち12人を監禁・虐待していた事件の裁判で19日、被告夫婦に終身刑が言い渡された。被告らは子どもらを「恐怖の館」に監禁し、虐待していたことを認めている。

 判決を受けたのは、デビッド・アレン・ターピン(David Allen Turpin)被告(57)と妻のルイーズ・アナ・ターピン(Louise Anna Turpin)被告(50)。両被告は、3歳から30歳までの実子12人に対する監禁、児童虐待、虐待など14件の罪を認めた。いずれも重罪に分類される罪状。両被告は仮釈放の資格を得るまでに少なくとも25年間、仮釈放なしで収監される。

 この事件は昨年、監禁された子どものうち17歳の少女が家の窓から脱け出し、電話で緊急通報したことで発覚した。被告の娘は「両親は私の人生すべてを奪ったが、私は今、人生を取り戻そうとしているところだ」と証言。また息子は、今も両親を愛しており、すでに両親を許したと語った。

 デビッド被告は判決の言い渡しに先立ち、子どもたちを愛していると述べた。また、ルイーズ被告は声明文を読み上げて子どもらに謝罪。さらに、「子どもたちの最善だけを願っている。子どもたちの幸せは私にとってとても大切なものだ」と語った。

 捜査官らは、何が被告らを虐待に駆り立てたのかは分からないと述べた。両被告は公判中、涙をこらえている様子だった。また、子ども2人が法廷に現れた際、ルイーズ被告が肩を震わせる姿も見られた。

 マヌエル・カンポス(Manuel Campos)郡保安官代理は予備審問で、最初に脱出した少女の事情聴取時の様子を証言。髪はひどく不潔で、肌は汚物で覆われていたと述べた。

 カンポス氏によると、この少女は通報の2年前から脱出の機会を探っていて、兄が捨てた携帯電話を手に入れることに成功。カメラ機能でベッドにつながれている妹2人の写真を撮影した。妹はどちらも重度の栄養失調状態にあった。同氏はまた、少女は妹たちと3人で一つの部屋に監禁され、その部屋の中を行ったり来たりするしか運動ができない状態にあったと述べた。

 マイク・ヘストリン(Mike Hestrin)地区検事によると、被害者らは1年に1回しかシャワーを浴びることを許されていなかった。(c)AFP/Javier TOVAR