【4月20日 AFP】大火災に見舞われた仏パリのノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)で19日、聖堂内に残されていた全絵画の回収作業が行われた。ただ環境保護団体は、現場が有害な鉛で汚染されている可能性があると警鐘を鳴らしている。

 文化省職員らは、消防当局による安全確認がとれたことを受け、美術品の回収作業を開始。作品はルーブル美術館(Louvre Museum)に運ばれた。絵画は煙や水による比較的軽い損傷の修復が行われた後、聖堂に戻せるようになるまで保管される予定だ。

 だが回収作業が行われる中、仏環境団体「ロバンデボワ(Robin des Bois)」は、15日夜の火災により屋根と尖塔(せんとう)に使われていた約300トンの鉛が溶け出したと指摘し、火災現場での健康被害の恐れを警告した。当局によると、火災の温度は最高800度に達していた。

 同団体は「大聖堂は有毒廃棄物の状態となった」と述べ、仏当局に対し、火災により生じた大量のがれきと灰、そして消火作業で出た廃水を無害化するよう求めている。(c)AFP/Alain JEAN-ROBERT and Adam PLOWRIGHT