【4月19日 AFP】5月14日に開幕するカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で、ケン・ローチ(Ken Loach)氏(82)やテレンス・マリック(Terrence Malick)氏というベテラン監督がノミネートされたことが分かった。同映画祭の総代表を務めるティエリー・フレモー(Thierry Fremaux)氏が18日、明らかにした

 昨年、審査委員長を務めた女優ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)さんは男女平等を訴えたが、今年のコンペティション部門最高賞パルムドール(Palme d'Or)にノミネートされた全19作品のうち、女性監督が手掛けたものはわずか4作品にとどまった。

 また、ブラッド・ピット(Brad Pitt)やレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)が出演したクエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)監督の最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(Once Upon a Time... in Hollywood)』は、現時点でいずれの部門にもノミネートされていない。フレモー氏は、『レザボア・ドッグス(Reservoir Dogs)』を手掛けたタランティーノ監督について、最後の最後まで門戸は開けてあるとほのめかした。

 またフレモー氏は報道陣に対し「まだ準備は終わっていない」「少しラストスパートをしなければならない…良い知らせを伝えられることを願っている」と話した。

 ローチ監督は2016年に『わたしは、ダニエル・ブレイク(I, Daniel Blake)』でパルムドールを受賞し、当時これが最後の作品だと語っていたが、ギグエコノミー(インターネットを通じて単発の仕事を受注する働き方)に対する批判を込めた最新作『Sorry We Missed You(原題)』で復帰を果たした。

 また、フレモー氏は、第2次世界大戦(World War II)を主題にしたマリック監督の『A Hidden Life(原題)』が、プレミア上映されることも明らかにした。この作品は、良心的兵役拒否したため1943年にナチス・ドイツによってギロチン刑に処せられたドイツ人を描いている。

 オープニング作品は、カルト的人気を誇る米監督ジム・ジャームッシュ(Jim Jarmusch)氏の『The Dead Don't Die(原題)』に決まった。

 今年の審査委員長は、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(Birdman)』『レヴェナント:蘇えりし者(The Revenant)』などの作品で知られるメキシコのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(Alejandro Gonzalez Inarritu)監督が務める。

 映画祭は5月14日から25日まで。(c)AFP/Fiachra GIBBONS