【5月4日 東方新報】「彭婆婆(Peng Popo)」漬物店は重慶市(Chongqing)涪陵(Fuling)区北闘路にある。面積15平方メートルもない小さな工房のようだが、涪陵区重点漬物企業24社の一つだ。「重点漬物製造企業」の中には、時価総額が200億元(約3337億円)にも上る上場企業もある。中国国際放送局(CRI)が報じた。

「彭婆婆」漬物店の彭栄貴(Peng Ronggui)オーナー(33)は、「私はこの店の5代目です。『彭婆婆』(彭おばあちゃん)とは私の祖母(82)のことで、小さいころから祖母がザーサイの漬物を作る姿を見ていました」と話す。「ここの漬物は工業化生産で用いられる塩で脱水する方法ではなく、伝統的な陰干し法を用いています」

 彭さんはSNSの微信(ウィーチャット、WeChat)上の店舗やネット通販サイト淘宝(タオバオ、TaoBao)、ショート動画サービスの抖音(Douyin)などを利用して、「彭婆婆」ブランドのPRに努め、販路を拡大してきた。「2019年第1回涪陵ザーサイ文化抖音コンテスト」では、達人賞と優秀賞を獲得し、ネット上の有名人になった。

「彭婆婆」のザーサイは昨年、販売量が30トンを超え、売上金額は70万元(約1168万円)を超えた。米国、日本、マレーシア、シンガポール、ウクライナ、ロシアなどにも輸出した。今年の売上高は150万元(約2500万円)となる見通しだ。

 彭さんは通常より高い値段で村民から原材料を購入し、周りの人たちにできるだけ多くの利益をもたらすことを心がけている。彭さんの努力で、小さな工房は地元の大手企業にまで発展した。毎年原材料200トン余りを購入し、ザーサイ70トン、その他の漬物50トンを生産。村民60人の増収を実現した彭さんは、いまや涪陵区の農村若手起業家を代表する人物になった。(c)東方新報/AFPBB News