【4月21日 Xinhua News】中国安徽省合肥市でペット葬儀業を経営する楊思維(Yang Siwei)さんは、夫と共にこの仕事に携わって3年余りになる。猫や犬から、リスやシロギツネまで、100匹以上のペットを送り出し、ペット葬儀に対する人々の態度の変化をその目で見てきた。

 楊さんは「2016年にペット葬儀を始めた頃は、毎月火葬するペットはわずか2、3匹だったが、今では十数匹になった」と説明。その原因として、中国の経済発展や高齢化の加速に伴い、さらに多くの人がペットを飼うようになったことと、人々が動物の無害化処理をより重視するようになったことを挙げた。

 楊さんは4年前、飼っていた猫を猫汎白血球減少症(FPL)で亡くした。その時、FPLは感染性なので、適切に埋葬しないと環境を汚染するだけでなく、それを掘り返した他の猫や犬に感染する恐れがあると考えたが、当時安徽省にはペットを火葬する場所がなく、いろいろな所を回った結果、最終的に江蘇省南京市でペット葬儀機関を見つけ、そこで愛猫を火葬した。この経験から楊さんはペット葬儀業に従事したいと考えるようになった。

 楊さんが経営するペット葬儀機関の告別室の外にはペット用墓地があり、約30匹のペットがここに眠っている。楊さんは「大部分の飼い主が遺灰を持ち帰るが、遺灰をここに埋葬することを望む飼い主もいるので、埋葬サービスも提供している」と語った。

 ペットコミュニティーサイト「狗民網」が第三者データ機関と共同で調査、発表した「2018年中国ペット産業白書」によると、中国の都市部で犬や猫を飼っている人の数は5648万人、都市部で飼われている猫と犬の数は9149万匹に達している。また、ペットの死亡後に葬儀サービスを利用したいと答えた人は53.9%に上っている。

「中華人民共和国動物防疫法」は、病死あるいは死因不明の動物の死骸について、動物衛生監督機関が無害化処理を命じることを規定しているが、処理方法については明確に規定されていない。

 楊さんは、ペット葬儀サービスの出現に伴い、ペット葬儀業が新たな職業になったと指摘。現在、北京や上海などの「一線都市」では一定の規模に達しているが、他の大部分の地域ではまだ創成期にあるとの考えを示した。さらに「ペットの無害化処理がより重要視されるようになったのをうれしく思う」と語り、この仕事を守り、ペットの魂の橋渡しを続けていきたいとの意向を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News